小池栄子の「接吻」

見に行った野球がどうしようもない結果だったので、気分を変えようと、前々から見ようと思っていた、小池栄子主演の「接吻」を野球帰りにGEOで借りてきて見ました。


日本映画でもいいものはあるんだな、ってちょっと思った作品。
実は小池のことは「偉い子だなー」っていつも思ってました。
私は彼女って結構な努力家だと思うんですよ。ウリナリ社交ダンス部に出ていたときも、最初は全然踊れなかったのに、最後は杉本彩を越えたし。大奥でも自分の代表作にしたいって言ってたし、好きになった男性も自分からどんどんアプローチして、ついに坂田と結婚したもんね。

自分に貪欲なんだよねー。彼女のグラビアは見たことはないけれど、きっとどうしたら綺麗に写るかとか、いろいろ考えてそうだなと思う。チャンスは確実にモノにするその姿勢は偉いと思います、ホント。

ただの、チチがでかいお姉ちゃんじゃないな、って思ってました。

そんな小池が主演のこの映画。

正直なところ、トヨエツと仲村トオルが共演だから、小池からいいものを引っ張り出して女優主演賞取れたんだろうと思ってたくらいなのですが、実際は小池の一人勝ち、みたいな映画でした。

あらすじなどは公式ページでどうぞ

あ、平気でネタバレしていますので以下はご注意。

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彼女はもともと、顔のパーツも大きいし、チチもでかいし(笑)見た目インパクト十分な子ですが、それを十二分に生かして、狂気を演じていました。
最初は「難しい役だから断った」そうですが、とてもじゃないけど当たり役というかハマり役なんじゃないか、と思うくらい見事な演じっぷり。一部、台詞棒読みだったりとか、歩き方が不自然だとか、あくびの演技が下手(笑)とかもありますけど、それはまあおいといて(笑)。

この映画で一番話題になった「狂気の笑み」について。

トヨエツ演じる坂口が、無差別殺人を起こして捕まったとき、TVカメラに向かって笑います。そしてその坂口と獄中結婚した京子(小池)も、報道陣に囲まれて、TVカメラに向かって笑います。
その笑顔が私にはどうしても狂信者の笑みにしか見えなかったです。
そのくらいぞっとする狂気に満ちた笑顔なのですが(京子としては、坂口と同じ笑みだと思っているらしいが)、どうみても「20世紀少年」(この「接吻」より後に撮影、公開)の高須役で出ていた小池なんですよね、その顔(笑)。

脱線しますが、

この高須というのは「ともだち」の狂信者なのですが(笑)、彼女に高須役が来たのは、この「接吻」で見せた狂気の笑顔がぴったりだから、と思ったからじゃないかと思うくらいそっくりな笑顔でした。

そのくらいインパクトのある、狂気に満ちた笑顔をした小池。それはすごいと思いました。

その他、突っ込みどころも満載でした。
たぶん、予算も低予算で時間もあまりなかったのでしょう。
実際に起きていれば大事件であろう死刑囚と結婚するとなれば、その相手にもものすごい数の報道陣がたかる(爆)でしょうに、実際には10人くらい。ありえん(笑)。

京子は「自殺しそうなやつ」と周りから言われていたらしいが、とてもじゃないがあのナイスバディ(笑)で自殺するとは思えん。いらないのなら私のボディと交換してくれって感じ(笑)。表情が暗いのはとてもうまいのだが、ちょっと姿勢良すぎというか、グラビア出身なだけあってスタイル良すぎ。表情とボディのギャップがね(笑)。

弁護士長谷川を演じる仲村トオル。一途な京子に惚れたらしいが、とてもそう見えなかった。なぜあんな暗い顔をする京子に惚れるのか全くわからん。いや、あのボディに惚れたんだろ(爆)。←下世話ですいません。

そのときはまだ、犯人の親戚でも友だちでもない京子を、犯人の肉親に会うからといって一緒に連れて行くことはありえん(笑)。職権乱用弁護士。えっ、そんなに惚れたんか、長谷川よ?!

坂口のお兄さん、「あなたと弟は雰囲気が良く似ている」といい、京子も坂口を似たもの同士と思っている(決して男として惚れた訳じゃないと思う)が、個人的には全然似てないと思った。せりふを言わせることで「似てる」と思わせたかった脚本の意図?がなんかいやだった。
二人とも、世間から阻害されているんだと感じていたのだろうけれど、それだけじゃないかあ?坂口はだんだん人間らしくなり、京子はだんだん悪魔のようになっていった。だいたい、TVで見せた坂口の笑顔に自分と同じにおいを感じた京子はおかしい(笑)かなと。

トヨエツ演じる坂口。せりふ少なすぎ(笑)。私も「トヨエツの声が聞きたい」と思った。
坂口、刺されても無言。刺されたことがないので分からないが、悲鳴くらい上げそうなもんだ(笑)。

そして最後の「接吻」・・・・意味わかんねー!!本当に意味分かりません。
なんで坂口じゃなくて長谷川にするんだ~?京子は今までキスなどしたことなさそうな人生だったのに、あんなうまいキスするか(笑)!!

などなど、1回しか見てないけど突っ込みどころはたくさんありました。

でも、そういうのは見終わったあと思うことで、見ている最中は三人の演技に引き込まれてしまい、没頭してしまいました。

涙腺うるっときたのは、最後に坂口が、控訴期限ぎりぎりまで黙秘していたのに、京子という伴侶を得たせいか、人間らしい一面を取り戻し、自分のしでかしたことを語り始めたところ。
小池の狂気顔とは別に、あんな悔いに満ちた顔、演技でできますかアンタ?って感じでした(笑)。

今回は獄中結婚と愛、みたいなのがテーマだったらしいですが、そのうち、最近始まった「裁判員」と被告の愛なんての、出てくるのかな?

とまあ、私がDVDでこんなに語るのも珍しいので、よほどいい映画だったのかなって思いました。

今後の小池の女優としての活動がちょっと楽しみです。顔が濃くても暗い役はできるしね(笑)。

カテゴリ:デキゴト2009
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