ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』日生劇場

久しぶりのミュージカル観覧でした。

確か何年か前に石丸幹二さんで見てるはずなんだけどブログ書いてない結構良かったんだけどな。

今まで、何度この人の四季のオペラ座の怪人見たいと思ったか、と思っていた念願の市村正親さんがファントムです。(見たことはないがCDは持ってる)

市村正親のファントム爺さん

うーーーーん、期待が大き過ぎたのかもう時間が経ちすぎたのか、イッチー歳とったな、しか感じなかった

だってもう76歳だもんな…

この歳であの歌声出せることは驚異的なんだけど、やっぱり声量落ちてるし息切れしてるし、歩き方も少々ヤバい。この舞台は上下の高さを利用するシーンが多いので、その坂を登るファントムの足元のおぼつかなさ怖いよコケやしないかとそればっか気になって芝居が入ってこない

グスタフ(子)は孫にしか見えないしとにかく一挙一動足がトロイんで、もう舞台俳優は引退した方がいいと思った。これまで若い役者のファントム沢山見てきてるからこそ、そう思う。

初演でファントムの年齢を40代のおじさんと想定すると、今回はそれの10年後ということだから50代くらいかな、となるはず。あの足取りや動き(最後、クリスティーヌが倒れて抱え上げた後重さに耐えかねたのか抱え直したりしてて…おじいちゃん丸出しなんだよ)を見る限りは、50代じゃないんだよどう見積もっても70代の足腰が痛いおじさんなんだよ…。

歌はうまいっすよ上手いんだけど…年齢ゆえか全部浪花節っぽく聞こえるしイッチーだけお笑い風味になってしまう。そう、レミゼで髙嶋政宏がお笑いジャベールを演じたような、あそこだけギャグになってしまう感覚を思い出した。

若い時に演じたファントムだったときは、あの高めの声がかえって狂気を感じさせて良かったんだけど。

前作がファンタジーだったのにこの続編は急に現実的な話になってるからこそ(ラウルが酒浸りとか借金がどーとかメグの横恋慕とか)浪花節が入ると、とたんに品のないミュージカルになってしまうのよ。

今回ファントムはトリプルキャストで、市村さんだけ早めに終わるから、ああやっぱり年には勝てないのかなと思ったらこの後3月から屋根の上のバイオリン弾きやるんかいwwまあ、動かないで座って歌ってる役ならいいんじゃね?

てなわけで結構ガッカリして帰ってきましたスタオベ出来んくらいにはな。

なお、笹本玲奈ちゃんはクリスティーヌめっちゃ良かったよ。若い時からミュージカル一筋だもんね。もうすっかりベテランさん。

神田沙也加ちゃんも、こうしてまだまだ観たかったしあの歌声聞きたかった。

ちなみに、2月にまた石丸幹二さんで見る予定。

石丸幹二のファントムはすごい

劇団四季時代、ラウルしか演じさせてもらえなかった石丸さん。退団して晴れて「その後」のファントムを演じられて本当に良かったです。

というわけでファントム爺さんの約3週間後、石丸幹二さんのファントムでラブネバーダイを見てきました。

私が石丸さんの声が好きなのかどうか分かりませんが、最初の歌(クリスティーヌを想って歌うやつ)聞いて泣いた。この人はなんつー艶のある声で情感入れて歌える人なんだ、と。もう冒頭の歌だけでおつりが来ましたwカッコいいし身のこなしも上等だし。

ぶっちゃけ、クリスティーヌもグスタフも市村ファントム爺さんのときの方が良かったと思ったけど、いろいろアラが見える舞台だったけれども(なぜその角度でクリスティーヌに弾が当たるのか)、ラストも石丸ファントムが全部持ってってしまったので、終わり良ければ総て良しです。

この日はホリプロチケットの貸し切り公演だったからか、カーテンコールで石丸さんの挨拶がありました。「また再演ができるよう足をお運びください」(要約)とのことでしたが、石丸さんなら何度でも行きましょうぞ、と思った次第ですww

もう一人のファントム、橋本さんも見てみたいなと思いましたが(レミゼやら何やらに出てるけど、橋本さんだけは1回も見たことない)もうチケット完売だったしな。

次回再演時はぜひ今井清隆を!

鑑賞後アンケートは紙でなくオンライン(Googleアンケート)でした。今後もいろいろな舞台や芝居でそうなっていくんだろうな。紙代かからないし集計もしやすいでしょうし。劇場内にQRコード置いたり、ホームページからリンクされていたりと、回収しやすくなってるよね。

ということで、もう市村さんにはファントムやらせないでくれということと(無理させすぎ)次はぜひ今井清隆さんを入れてくれと書いて送りましたwww

四季で演じきれなかった今井ファントムをぜひラブネバーダイにぶつけて欲しいと思うし、単純に私が見たいwww今井さんももう60代だし、早いとこファントムやらせてあげてくれと思います。

舞台も進化してるなと

昔は「できないことはやらない、やれない」だったものが、今は技術の進化で「できないなら別の方法でやる」になったんだな~アンドリュロイドウェバーは、ほんとはこんな舞台装置でやりたかったんじゃないかな、と思ったのが、ラブネバーダイのミラーポッドが入り乱れる中にグスタフを連れて来るファントムのシーン。あんな高速でいくつものミラーポッドを動かしていいの?あれがまさに「オペラ座の地下室」で再現したかったものなんじゃないかなと。

オペラ座の怪人初演も日生劇場ですが、当時は吊るしたシャンデリアを落っことすなどという消防法NGなことはできず、レールを二本立てて、そこにはめ込んだシャンデリアを上からレールを滑らせて落とす、という方法だったし、四季劇場あちこちでも、吊ったシャンデリアを落とすというよりゆっくり移動させる、くらいのことしかできなかった。

火(というより炎?)もNGだけど、今は危なくない花火や本物の火に見えるLEDみたいなものがあって、燭台で揺らめく火が不自然じゃなくなってたように思う。

日本は安全第一なもんで、非現実世界の舞台上に現実の法律を持ち込んでくるから「おいおいおい」といいたくなるシーンが多々あるんですが、それを技術で何とかしようとしている舞台芸術にかかわる皆さんには敬意を表します、マジで。コニーアイランドの見世物小屋と呼ぶにはもったいないくらい素晴らしい仕掛けだった。

海外で同じ演目を見るとほんとそう思うよ「(韓国とかアメリカとか、炎や火薬の量が違うからなwww)

カテゴリ:実は芝居好き