第92回全日本フィギュアスケート選手権大会へ その2:ペア・男子フリー観戦

信じられないくらい暖かい日が続いた12月ですが、全日本選手権があるクリスマスには、10年に1度来るくらいの寒波が長野にも襲来。自分が見に行く23日(ペア・男子フリー)、24日(アイスダンス・女子フリー)もそれなりの寒さでしたが、会場は熱気にあふれて暑かったし熱いあつい演技の連続でした。もう伝説と言っていいほど。

試合全結果はこちら(スケ連のサイト)

23日(土)15時 ペアフリー

今回も「りくりゅう」ペアが欠場のため、長岡柚奈、森口澄士(ゆなすみ)ペアのみの出場でした。

(龍一くん、だいぶ腰のケガも良くなり練習再開したとか。ワールド楽しみにしています)

巷では、この日の男子シングルフリーが神がかった伝説として語り継がれるであろう試合だったことばかりがクローズアップされていますが、個人的には、神がかった演技はこの「ゆなすみ」ペアから始まっていたよ!と声を大にして言いたいです。

THE ANSWERより拝借)

NHK杯のフリー演技でリフト失敗しているのを見ていたので、ともかく澄士くん体力筋力がんばれ!!と祈る気持ちで見ていましたが、たった1カ月で見違える演技でした。もちろんリフトも大成功。しょっぱなから涙なくして見られないくらい感動しました澄士くん本当に努力したんだね…!!柚奈ちゃんも本当にありがとう!気分は勝手に「親戚のおばさん」。

会心の演技で117.57点をマーク。合計173.64点のシーズンベストを記録し、初優勝となった。11月のグランプリ(GP)シリーズ第6戦・NHK杯では合計135.39点だったが、1か月で38.25点も積み上げた。

THE ANSWERより引用)

「ゆなすみ」になってまだ1年目(正確には7カ月)で息の合うペアになってきていることがもう嬉しすぎました。ゆなすみのワールドでの演技、今から本当に楽しみです!場数踏んでどんどん成長していって欲しい。

ペアやアイスダンスは本人たちの相性もあるけど、親同士の意向もあったりするそうなので、どうか選手二人に影響ないよう、彼らを温かい目で育てて行って欲しいと思います。お願いします。

23日(土)16時35分 男子シングルフリー

もう素人の自分が何を言うよりも

「全員を世界選手権代表に…」全日本フィギュア男子“神演技”連発だった理由|誰にとっても「特別な試合」前走者の好演技をエネルギーに変える原動力とは (松原 孝臣氏 JBPressより)

こちらの記事を一読された方が感動が伝わると思います。

第3グループの吉岡希選手あたりから誰も転倒せず(!や<はあったものの)全員が演技後ガッツポーズをするような会心の出来とシーズンベスト続出(当然、パーソナルベストの選手もいます)で、見ているだけのこちらがエネルギー切れを起こしそうな、そんな神演技続出の男子フリーでした。

張り詰めたような緊張感が6分間練習からビンビン伝わってきます。

(テレビ上では解説と実況がごちゃごちゃ言ってると思いますが、会場はBGMと氷を削る音、着氷の音とジャンプ成功への大きな拍手、そして驚きの「おぉ!」って声だけで、話し声はほぼ聞こえません)

この日の席は北側ショートサイドですが、多くの選手が目の前で4回転を跳んでくる場所でもあり、ひとりが跳ぶと次々別の選手が競うように跳んでくるため、ありえない飛距離や跳躍はもちろんのこと、氷を削る音、着地のダンッ!って音だけでもうゾクゾクしっぱなし。6分間練習がマジでヤバかったよ…神6だよこいつらww

  • 友野くん、7月のDOIで見たときは正直よく分からなかったフリーですが、今回は本当にゾクゾクするほど曲のテーマが伝わり、ミーシャが乗り移ったようにも見えて本当に震えました。本当に難しいプロを良くここまで滑り込んできたなと。元気印爆発のフリーが多い彼がそれを封印して、ついに完成したかのような演技。
    いつも転倒してしまう4回転も今回は3本全部着氷!あそこから一気に会場のボルテージが上がったと思います(本人も、会場を温めてしまった…と思ったとか)。芸術面ではすでに無敵の友野くん、4回転がいつもクリーンなら真の無敵になれるかも。
    もうこのプロは全日本で見納めなんでしょうか?来シーズンも継続してほしいくらい、神秘的なプログラムです。
  • 駿くん、美しすぎる4ルッツに痺れました。
    昨シーズンの国別対抗戦フリーで、冒頭の4Lzが3Lzになってしまい後半直前でもう一度4Lzに挑んできたのを目の当たりにしてから駿くんには惚れ込んでおりますぶっちゃけ、クリーンな高難易度ジャンプをコンスタントに決められるのは駿くんだと思っているので、あとはシゼロンに芸術を叩きこんでもらえれば無敵になれると思います。
  • 佳生くん、見事な調査兵団でした。
    ご自身はライナーが好きとのことですが、あなたはどう見てもエレンですwライナーと戦うエレンにしか見えませんでした。後半の4T+3Tを跳んでいるときのキツそうな顔がちらっと見えて、それがもうドストライクでww改めて惚れ直しましたあのステップアウトさえなかったら台乗りできてたかもしれないね。挑戦と無謀は違うので、どうかケガと体調管理だけはしっかりと。
  • 優真くん、怪我明けとは思えない快進撃。オリンピック銀メダリストなだけあって、クリーンなジャンプがすべて美しい。後半のステップで躓いたのは体力切れだそうですが、それさえ克服すれば無敵。カロリーナの美がゆまちに伝授されたとき、ネイサンの記録を破れるのかもしれないなーと思います。
  • 草太はもう何をかいわんや。
    個人的にあの省エネスカスカなエクソジェネシスは好きじゃない(ステップどこよ?と小峠降臨ww)のだが、まったくエラーがなかったのは草太だけだったんじゃない?と思ういい出来だったと思います。草太の演技後、私の周りのお客さんみんな泣いてましたからね。
  • 昌磨さんブラボーでした。
    ジャンプがステップアウトしようが4T2Tになろうがwあの芸術の前にはひれ伏すしかない美しさ。もちろん後で取り返すリカバリも忘れずに。
    一応フィギュアはスポーツだからジャンプに点の重きが置かれるのは仕方ないのですが、もう少しPCSに配分を増やしてもいいのではないでしょうか…北京五輪前と後では、昌磨さんの芸術性は雲泥の差と言ってもいいくらい素晴らしくなっているのに、それが全然点数に反映されていないのは…。それでも圧巻の優勝でした。まだまだ無敵な昌磨さん、おめでとうございます!

自分でも語ってしまいましたが、最終グループの演技についてはSNSやらニュース記事やらでさんざん語りつくされているので、それ以外の選手をちょっと。

  • 高志郎くんの「死の舞踏」はとても楽しみにしていたのですが、冒頭のジャンプが本当に残念。あれどう見ても、エッジがうまく氷にかからなかった、不運だったなと思いました。
    彼の演技も夏のDOIで見てすごい!!と鳥肌立った演技だったので、どうか来シーズン継続してほしいな。そして完成形を全日本で見せて欲しいです。ランビ先生も難しい振り付けたくさん入れてごめんね、と言ったくらい難しいプログラムなのだそうですし。
  • 吉岡希くんの昨シーズンからの継続プロ「パイレーツオブカリビアン」ここに極まれり!!という出来でした!目を見張ったのがジャンプの高さ。そしてプロトコルを見ると一切のエラーのないクリーンなスコア!もうフライング気味にスタオベでした。
    彼は今季からシニア(特強)に入ったんですが、コロナもあってあまり国際大会に派遣されることもなくシニアになったため経験に乏しいそうです。それでもこの全日本でクリーンに演じきった海賊は最高でした!!どうかもっと彼をたくさんの国際大会に派遣してください。

あとは星南くんやたっちゃんもほんと良かったのよ。(シングルを引退する)ルーカスくんや(競技を引退する)櫛田くんとか、本当にみんな素晴らしかった。
こんな素晴らしい大会を現地観戦できて、本当にラッキーだったと思いました。